加茂 みどり
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2009年07月01日 |
加茂 みどり
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住まい・生活 |
住宅 |
情報誌CEL (Vol.89) |
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少子高齢化の要因
少子高齢社会における住宅の課題について、主に文献調査等により、「少子高齢化の緩和(要因の抑制)」「少子高齢化の帰結や影響への対応」「少子高齢化にともなう家族や世帯の変化への対応」という3つの視点から検討を行った。
まず少子高齢化の要因だが、少子化の要因は出生率の低下である。一方、高齢化のもっとも大きな要因は、平均寿命の伸長だと考えられることが多い。しかし、戦後の平均寿命の伸長をもたらした最大の要因は、乳幼児の死亡率の大きな低下である。平均寿命は死亡率が計算根拠であるが、死亡率の低下は乳幼児の増加にも大きく寄与し、若齢化と高齢化は相殺され、結果として平均寿命の伸長はあまり大きく人口構造に影響を与えないといわれている。それに対し、出生率の低下は、年少人口を減らすことにしかならない。人口高齢化の最大の要因が出生率の低下であることは、理論的にも実際の計算上でも、すでに明らかとされている。
そして、出生率低下の要因としては、主に「非婚化、晩婚化」および「夫婦出生力の低下」があげられる。