安井 至
2009年07月01日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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備考 |
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2009年07月01日 |
安井 至 |
エネルギー・環境 |
環境対応 |
情報誌CEL (Vol.89) |
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いつのまにか、日本版グリーン・ニューディールという言葉が使われなくなった。その理由はいくつかあるようだが、米国の政策の後追いをする状況ではないので、使わないという方針が正しいように思われる。
さて、4月10日付けで、政府の経済危機対策が発表になった(http://www5.cao.go.jp/keizai1/2009/0410honbun.pdf)。
この文書の中に、1月頃まで日本版グリーン・ニューディールと呼ばれていた政策の中身と思われる環境エネルギー対策が「低炭素革命」という名前で盛り込まれている。
(1)太陽光発電
(2)低燃費車・省エネ製品等
(3)交通機関・インフラ革新
(4)資源大国実現
これらすべてを詳しく説明する余裕は無いので(2)低燃費車についてのみ述べたい。
4月の自動車販売数で、史上初めてハイブリッド車がトップの地位を占めた。ホンダが発売したインサイトである。その後も、販売実績は好調のようである。
5月18日に発表になった、トヨタの新型プリウスは、4月1日から受注を開始し、50日足らずで、こちらも前代未聞の8万台の予約を受けたという。これで、トヨタが今年作る車の5台に1台は、プリウスだということになる。
どうやら、ハイブリッド車が当面の低燃費車の大きな流れになった気配である。初代のプリウスは1997年に発売された。まだまだ欠点だらけの車であったが、そのポテンシャルを十分に感じることができた。発売後10年、やっと一般社会の合意になった。
ところが自動車業界では、各社の事情があるのだろうが、それが合意になっていないのが不思議である。現時点でも日産のゴーン社長は、「究極のエコカーは電気自動車であって、ハイブリッドではない。だから日産は電気自動車に注力をする」と述べている。しばらく前までは、電気自動車という言葉の替わりに、燃料電池自動車が使われていた。常にハイブリッド車はニッチ技術だという主張を続けている。