内藤 正明
2009年01月08日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
カテゴリー |
媒体(Vol.) |
備考 |
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2009年01月08日 |
内藤 正明 |
エネルギー・環境 |
住環境 |
情報誌CEL (Vol.87) |
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はじめに
いま、持続可能社会という言葉が世界中で使われるが、それは、このままでは人類の存続が危機的であるということでもある。その危機の要因の中でも、水というのは最も危惧される資源の一つである。それは気候変動による降雨パターンの異常が進む一方で、人間
の側の水需要増大が重なって、世界中で水不足が深刻になると予想されているからである。その中で日本は、地球温暖化で降水量が増加すると予想され、量的には不足しないように思われるが、このところ実感されるように降雨のパターンが大きく変わり、局地・短期的な集中が起こっている。元々わが国では、降水量自体は多くても、急峻な地形のために、水の有効利用が難しかった。そこで、数多くのダムや溜め池などを造り、一気に流れ去る水を何とか有効に利用しようと努力してきた。
では、このような地球規模での気候異常と人類持続の関係をどう捉え、これにどう対処すればいいのか。このことについて我々が実施してきた滋賀と琵琶湖を対象にした?持続可能社会の将来ビジョンと水管理システム“に関する研究の一端を紹介する。滋賀と琵琶湖は、この主題を論じるのに最も相応しい対象の一つであること、またこれが日本の、そして世界のモデルとしても示唆することが多いことも、およそ想像いただけると思うが、そのことを次に述べる。