阿部 絢子
2009年01月08日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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媒体(Vol.) |
備考 |
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2009年01月08日 |
阿部 絢子 |
エネルギー・環境 |
地球環境 |
情報誌CEL (Vol.87) |
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現代の生活関連水消費量
いま、私たちが生活で消費している水量は、日本の平均で1人1日300リットル以上にもなります。入浴やシャワー、トイレ、洗面、調理、炊事、洗濯、掃除など、あらゆる生活の場面で、水を使わない日は1日としてありません。生活に直結している水消費だけをあげても、これだけの場面を思い浮かべることができます。
他にも、私たちの生活を支える見えない場面で水は消費されているのです。例えば、稲、野菜、果樹といった食材栽培、漁業収穫後の処理・加工、デパ地下やコンビニに並ぶ調理済み料理の加工といった食生活関連の水消費、あるいは衣生活でのクリーニング、ガソリンスタンドでの洗車など。私たちの生活は一滴の水もないのでは一時も成り立たない、と言っても過言ではないようです。
特に食生活周りでの水消費は、年々増える傾向があるのではないでしょうか。その理由の一つに、これまでの食材利用による手作り料理と比べると、手軽に手に入るデパ地下やコンビニの調理済み食品の利用需要が増えていることがあげられます。手軽さ、便利さに私たちは、どうも魅惑され続けているようです。ちょっとの手間をかければすぐにできるものを、忙しいから面倒だ、時間がないので億劫と、他人が作ったものが手軽で便利と、ついつい利用してしまっていないでしょうか。ここが大いに水消費に関係があるところなのです。というのは、調理済み食品には、すでに製造中に使われた水消費が含まれているのですから。
こうした食生活周りの水消費量の増加を考えると、生活全体での1人1日300リットルより、実際にはもっと多い量の水を消費していると考えなければならないわけです。ですから食生活周りを中心とした「水消費の仕方」、ここを改めて考え直していく必要があると思います。