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情報誌CEL

石川 英輔

2009年01月08日

CEL TOPICS江戸時代の知恵をこれからの暮らしに活かす

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2009年01月08日

石川 英輔

エネルギー・環境

地球環境
エネルギー・ライフスタイル

情報誌CEL (Vol.87)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。

太陽エネルギーで動いていた

江戸時代の社会

 今日の講演では、江戸時代の人々の生活から、我々が学ぶべきことが、実はたくさんあるということをお話したいと思います。

 幕末期の安政年間の本に『浪華の賑ひ』というのがあります。当時、大坂の四ツ橋には、名前のとおり橋が4つ、ロの字型にかかっていました。本の絵を見て驚くのは、なんと橋の下で飲み水を汲んでいることです。舟に大きな桶を2つ置いて、右の人が船頭さんで、左の人が桶に水を汲み入れています。昔は淀川の水は沸かさずに飲めたそうです。江戸時代に大坂に水道がなかったのも、八百八橋の下の水が飲めたからです。今では想像できませんが、江戸時代の大坂では町中に飲める水が流れていたわけです。では、なぜ飲めたのか。理由は極めて明らか。汚さなかったからです。

 逆に今、私たちには汚す能力が備わっています。それは日々膨大な量のエネルギーを使っているからです。現代の日本人は1日に1人、ほぼ12万5千キロカロリーを使っていると言われています。このうち10万キロカロリーが化石燃料です。重油換算でほぼ10リットル。こう言うと大抵の方は「うちではそんなに使ってない」とおっしゃる。私も個人的にはそんなに使ってない。でも私が使おうが使うまいが世の中はどんどん動いているんです。

 エネルギー消費のほぼ半分は産業部門で使っている。会社で働いていれば会社の機械が動く。そのエネルギーも1人あたりになる。私が寝ていようが、起きてようが、飛行機は空を飛び交い、新幹線は動き、自動車会社は自動車をつくっている。いやでもおうでも私たちは毎日、膨大なエネルギーを使い、化石燃料を燃やしている。もしCO2が増えることで地球が温暖化するのなら、非常に危ないことをやっていることになります。

 では、それに引き比べ、江戸時代のエネルギー消費はどうだったのか。

 

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