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情報誌CEL

白石 浩介

2008年10月01日

2020年の暮らしに関わる経済・政治課題について

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2008年10月01日

白石 浩介

住まい・生活

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情報誌CEL (Vol.86)

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漂流する日本の産業

 足許の経済環境は、アメリカのサブプライム問題に端を発した世界不況の足音が聞こえるなかで、必ずしも明るいものではないが、一〇年以上続いた平成不況をくぐり抜けた日本企業の体力は格段に向上した。多くの企業では、選択と集中というリストラを推し進め、不良債権を処理し、あるいは不採算事業を整理することにより体質強化に成功した。単なる本業回帰ではなく、勃興するITシステムを取り入れることでビジネスの効率化を図り、グローバルスタンダードと呼称される会計基準や執行役員制の導入による意識改革を進めることにより、企業の経営力が向上した点が見逃せない。

 しかし、多くの企業経営者は頭を抱えている。日本国内における成長戦略が描けないからである。過去一〇年間における日本経済の成長は、アメリカやアジア新興国における好景気が日本からの輸出を伸ばし、これが国内経済を下支えするという外需主導型であった。少子高齢化が進んでいると言っても、日本は一億二千七百万人もの人口を抱える世界有数の消費市場である。企業セクターによる設備投資額も、毎年八〇兆円に達している。これらの家計や企業による国内需要に元気がなく、新しい動きが見られないのである。産業低迷の要因として、ここでは機械産業の競争力低下とサービス産業における生産性の低迷という二つの課題を指摘したい

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