茂木 友三郎、熊倉 功夫
2008年06月30日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
カテゴリー |
媒体(Vol.) |
備考 |
---|---|---|---|---|---|
2008年06月30日 |
茂木 友三郎、熊倉 功夫 |
住まい・生活 |
食生活 |
情報誌CEL (Vol.85) |
ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。
今回の特集における対談には、日本の伝統的な食品企業の経営者であり日本の食に関する国の施策等のキーパーソンのおひとりでもある茂木友三郎氏と、日本の料理文化研究における第一人者である熊倉功夫氏をお招きし、企業活動と食文化との関係性を問い直しながら、食育において社会・企業が果たすべき役割とその意味などについて総合的に語り合っていただいた。
お話の中では、これまで連綿と受け継がれてきた日本の食文化を包括的に理解することの意味が説かれ、また、家庭での食育のみならず、社会・企業が食育について果たすべき役割の重要性が語られた。さらに、日本食の海外普及の現状や、日本の食の本質などについてもお話をうかがった。
日本の食文化のすばらしさを次世代に伝える
横川 今回は、「食育における社会・企業の役割」というテーマで巻頭対談をお願いしたいと思います。「食を支え育む、社会・企業が果たすべき役割」ということで、大きく三つのテーマを考えました。一つは連綿と伝え継がれてきた「日本の食文化と現代の食育について」どう考えていけばいいか。二つ目に食育は家庭での食育もございますが、仕組みという面で「食育について社会・企業がどういう役割を果たすべきか」。三つ目に日本食の海外普及や海外から日本に入ってくる食、国内での日本食離れなど「食の国際化と日本人の食生活」ということでお話していただければと思います。
最初に、歴史ある日本の食文化とそれに対応する現代の食育というものをどう考えていけばいいのかということですが、現在、日本食、日本の食文化について国の懇談会等の中心になってご活躍されている茂木会長からお話をしていただければと思います。
茂木 最初に言いたいことは、日本の食文化は、日本の最も魅力的なコンテンツの一つだということです。三年ほど前に、政府の知的財産戦略本部に事務局を置いて、日本の食文化について勉強するということで、食文化研究推進懇談会が発足しました。その際に、政府が主体では型にはまってしまうから、民間人中心でやってほしいということで、私はその懇談会の会長になり、熊倉さんには副会長をお願いしました。