森 惠
2008年06月30日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
カテゴリー |
媒体(Vol.) |
備考 |
---|---|---|---|---|---|
2008年06月30日 |
森 惠 |
住まい・生活 |
食生活 |
情報誌CEL (Vol.85) |
ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。
四月の最後の土曜になって、ようやく青空がテュービンゲンの町の上にも広がった。さあ、リンゴやプラムの白い花が咲く野原へ、森へ、と弾む気持ちと足を、ちょっと待った、今日はまず、「リージョナル・マーケット」だ、と、一万五千人が旧市街のほうに向けた。
春と秋の年二回、市の商工業者組合が主催するこのマーケットは、地域の産物を市民や観光客にアピールするイベントだ。野菜や花、パン、ソーセージ、蜂蜜、ワイン、菜種油、陶器や編みかごなど、あわせて七五の地元生産者の屋台が広場や通りを埋める。この春で八回目、市民にはもうおなじみ。だが、あ、今度のは、ちょっとちがうな、と、誰もが感じとったにちがいない。
街の中心、市役所の前の広場では、青いシャツに青い帽子のパルマー市長が、市民が自宅の照明器具から外してきた電球と省エネランプを交換している。市の水・ガス・電力供給公社のスタッフは、同社特産のクリーン電力の契約勧誘に忙しい。市と周辺自治体が共同運営する気候保全コンサルタント会社のテントの下では、既存住宅の省エネ改造や省エネ暖房設備の相談会。家電の消費電力量測定器の無料貸し出しやエコドライビング教習会の申し込みも受け付け中。カーシェアリング協会や環境自然保護団体も、それぞれのキャンペーンをはっている。