足立 基浩
2008年03月21日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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備考 |
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2008年03月21日 |
足立 基浩 |
都市・コミュニティ |
都市システム・構造 |
情報誌CEL (Vol.84) |
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はじめに
私は以前イギリスに約五年滞在し、また昨年は短い期間であるがフランスのマルセイユで教鞭をとる機会を得た。ヨーロッパの街中にいて思うのは、地元の人は「場所の利用」に長けているという点である。例えば、二〇〇六年に著者がイギリスの地方都市で行ったアンケート調査結果(※)によれば、中心市街地商業集積区という場所の魅力は「買い物をするから」ではなく、「歩いて楽しいから」という回答が最も多い。実際、公園も日本と異なり、本を読んだり、水着で寝そべったり、サッカーを楽しんだりと非常に多くの楽しみ方を見せてくれている。
この点、日本はどうであろうか?
日本の場合も、中心市街地を積極的に楽しむべきと考える。多くの都市では歴史が眠っている。和歌山市の中心市街地では、かの孫文と南方熊楠氏が会談をしたことがある場と聞いて驚いた。
そこで著者が数年前から注目したのは、回遊性を目的としたオープンカフェなどの事業であり、著者は過去三年にわたり主催者として和歌山市中心市街地(ぶらくり丁地区)にて同事業を実施してきた。街を回遊させるためには、毎週のように内容が変わる話題性のある場所が必要であったが、そんなカフェを学生や社会人の街づくりNPOとで実行してきた。本稿ではこれまでのオープンカフェ事業の取り組みとオープンスペースの魅力について紹介したい。