弘本 由香里
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研究領域 |
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備考 |
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2008年03月21日 |
弘本 由香里
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都市・コミュニティ |
都市居住 |
情報誌CEL (Vol.84) |
地域資源情報によるコミュニティ・エンパワーメントの可能性(1) |
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はじめに
少子高齢化が進み、夫婦のみや単身の世帯が多数をなす地域社会が一般化してきている。都心部では、その傾向がいち早く顕著に現れてきている。また、社会・経済のグローバル化とともに、人口の国際化も急速に進んでいる。これもまた都心部においていっそう顕著である。地域社会を構成する基礎単位の質・量自体が激変してきている。そこに意識を向けることなしに、現代そしてこれからの地域社会やまちづくりを展望することはできないだろう。
個を基点とした他者との新たなつながりのデザインを切実に必要とする時代を、現代の生活者は生きているといってもいい。ソーシャル・キャピタル(安心や安全を支える信頼関係や生活文化)の再構築に際して、地域社会のあらゆる場面で、異なる価値観を受容する多文化共生の姿勢は欠かせないものとなる。と同時に、変化が激しく、個人化や孤立化が進行する社会であればあるほど、地域の記憶や知恵を蓄積・共有していく文化装置や、ゆっくりとしか変化しない自然や幾世代にもわたる時を重ねた歴史や生活文化といったものが、人々の支えやつなぎ手、いわばネットワークの媒介としての価値を発揮し得るものともなる。