志波 徹
2008年01月10日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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媒体(Vol.) |
備考 |
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2008年01月10日 |
志波 徹 |
エネルギー・環境 |
地球環境 |
情報誌CEL (Vol.83) |
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最近、ガス機器・家電品・自動車など省エネを謳い文句にした商品もかなり普及してきている。また、照明をこまめに消したり、マイバッグを持参したりする人も多くなり、個人レベルでの省エネルギー・省資源も進んでいるかのように見えるが、民生部門のCO2排出量は、逆に増えている状況である。こうしたことから、さらに省エネルギーを図れるシステムを普及させるとともに、人々の省エネ行動も喚起できるようなシステムが求められる。
家庭用ガス発電システム「エコウィル」は、リモコンに発電状況だけでなく、「グリーン指数」という省エネ評価の結果まで表示する。ユーザーアンケートでも、『省エネに貢献していると思う』、という人が7割を超えている。省エネ行動を喚起できてこそ、そのシステムの省エネ性が発揮される。
1戸単位ではなく、もう少し大きな単位で省エネを図る仕組みの実験も始まっている。実験集合住宅NEXT21では、住戸で発電した電力や蓄熱した熱を相互に融通するシステムを設置し、実験中である。通常、各戸に設置した装置は、その住戸で完結するが、電力融通をする場合は、自宅の発電機で自給できる電気では足りない場合に、不在などでまだ余力のある住戸の発電機が自動的に発電量を増やして自宅に送ってくれる。NEXT21では、屋上に設置した水素製造装置で都市ガスから純度の高い水素を製造。そして、5〜6階にある8戸には、各戸に、その水素をエネルギーとする水素燃料電池コージェネレーションシステムを置いている。この8台の燃料電池は電気的に繋がれていて、全体を統括する制御システムにより、最も省エネになるように電力融通を行う。また、各戸に貯湯タンクを置き、その熱を融通するシステムは、3〜4階に設置している。