濱 惠介
作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
カテゴリー |
媒体(Vol.) |
備考 |
---|---|---|---|---|---|
2008年01月10日 |
濱 惠介
|
エネルギー・環境 |
地球環境 |
情報誌CEL (Vol.83) |
ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。
窓からの熱損失を減らす
少ないエネルギーで冬の寒い時期でも快適な室内気温を保つ鍵が「断熱」です。暖房と冷房のエネルギー消費量を比較すると、関東・近畿でも圧倒的に暖房が大きく、断熱による暖房対策の重要さが分かります。
暖房エネルギーを削減する基本は、建物が外部に接する面(壁・屋根・床・窓)の断熱性を良くすることです。断熱性向上は、居心地が改善され省エネに寄与するだけでなく、室内の温度差が小さくなり脳卒中などのリスクが減る、という三つの目的が同時に達成されるという意味があります。
最大のポイントは窓です。同じ面積で比べると、一枚ガラスの窓からは、断熱された壁の一〇倍近い熱が失われます。冬は「厚手のカーテンをする」というのは常識ですが、ガラス面で冷やされた空気が流れ出ないよう、カーテンの周囲をできる限り壁、床にぴったりつけましょう。カーテンレール部を箱型に覆う「カーテンボックス」も有効です。
もし部屋に二つの窓があって、冬の間、一つを閉じてかまわないなら、断熱ボードで塞いでしまう手もあります。これは窓を壁に変えるのとほぼ同じですから、効果は抜群。条件にもよりますが、シミュレーションでは二〜三割の暖房削減が期待できます。角部屋に適した方法です。わが家の二階の洋室は北と南に窓があり、冬の間は北側の窓を塞ぎます。厚さ二五?のフェノール系の発泡断熱ボード二枚を窓の大きさに切りそろえ、内側から窓枠にはめ込みます。格段に暖かくなりました。窓が一つしかない場合は、雨戸を閉める感覚で夜の間だけはめても十分効果があります。