弘本 由香里
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2007年09月30日 |
弘本 由香里
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住まい・生活 |
ライフスタイル |
情報誌CEL (Vol.52) |
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生活者は主体的な消費者なのか
1 こだわり消費者像
「こだわり消費」という表現が登場して久しい。消費者のニーズや嗜好が多様化し、モノを作れば売れる大量生産・消費の時代は幕を閉じ、企業や生産者は多品種少量生産による消費者対応が迫られていると考えられている。こうした状況下で、各企業は瑣末とさえ感じられるまでの商品特性・機能の差別化や価格破壊により商品販売シェアの維持に努めてきた。
確かに、消費者問題や消費者運動に関する関心の高まりや、インターネットの普及などによる商品情報の受発信の加速化、ライフスタイルの多様化といったことがメディア媒体を中心として、さまざまなところで指摘されており、生活者が着実に自立した消費者へと進歩していることに疑いを挟む余地はほとんどないと思われる。そうした生活者のミクロな消費者行動として想像されるのは、商品購入に際して、単に価格のみを重視するのではなく、価格を含むさまざまな要素を選択条件とし、その中で自らの価値基準にしたがってウエイト付け、順位付けを行い、多面的な評価で商品選択や自ら適正と考える価格を決定しているという姿であろう。