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情報誌CEL

山下 満智子
高橋 久仁子

2007年06月30日

【対談】 家族の「食」を取り戻すために―大切なのは、生活のリズムとコミュニケーション―

作成年月日

執筆者名

研究領域

カテゴリー

媒体(Vol.)

備考

2007年06月30日

山下 満智子
高橋 久仁子

住まい・生活

食生活

情報誌CEL (Vol.81)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。

生活者にとっての「食育」とは

山下 一五年ほど前に、大阪ガスで「キッズクッキング」という料理活動を始めた頃には、最初に「アメリカには『食育』という運動があります」というような紹介の仕方をしていました。ところが今は日本でも、各方面で「食育」が言われるようになり、「食育」という言葉をわざわざ説明する必要がなくなりました。一方で、「食」にわざわざ「育」を付ける必要があるだろうかという意見もあります。今日のお話の中で、生活者が家族の食生活について、何か具体的に考える良いきっかけになるものがあればと思います。

高橋 私自身、「食育」という言葉はあまり感心しませんし、食育基本法にも違和感を持っています。なぜかと言いますと、法律にしてしまうと、食べることに誰もが興味関心を持たないといけないかのように、押しつけになるような感じがするからです。人はそれぞれで、食に関心を持つ人もいるし、あまり関心のない人もいるのに、それを一律に法律で縛るようにするのは、少しおかしいようにも思います。

山下 食はあくまでプライベートのものであるということですね。

高橋 私がやるべきと考えている食の教育というのは、「食に対してあまり関心のない人でも、食・健康に関して大きな間違いをしなくてすむ」ということです。つまり、一日の生活リズムをきちんとつくって、そのリズムの中で三回、適度に食べることができる。そういったことが、自然に身に付くような内容のものです。

山下 日々の生活において、自然にお腹が空くというようなリズムが大切なんですね。

高橋 時間が来たから食べるのではなく、時間の経過とともにお腹が減ってくるというような、そういう生活のリズムで暮らすということが先ではないでしょうか。家庭によっていろんなレベルの違いがあるので、それをある程度、標準化しようということです。

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