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情報誌CEL

豊田 尚吾

2007年06月30日

生活経営論の潮流と展望―イエコノミー論から感謝の経済学へ―

作成年月日

執筆者名

研究領域

カテゴリー

媒体(Vol.)

備考

2007年06月30日

豊田 尚吾

住まい・生活

消費生活

情報誌CEL (Vol.81)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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はじめに

 日本経済の二〇〇六年度GDP成長率は二・一%と堅調で、企業収益も増益が続いている。一方で生活者の暮らしには様々な課題があり、解決策としての”生活経営“が現在注目されている。本稿では、これは一つの潮流であるとの考えのもと、その意味と方向性について論じる。

 本稿の主張を要約すると次の通りである。日本経済の成熟化や、グローバル化による競争激化などの予想(意識)が、生活者の先行きに対する不安感を増大させている。これに対応して、生活防衛的なノウハウなどがメディアから情報発信されている。それらは生活者の生活リテラシーを向上させることにつながると期待できる。一方で、それぞれはバラバラに論じられているため、必ずしも整合的でない。したがって、真に生活の充足度を向上させるためには、生活経営に対する統合的なあるべき姿を示していくことが重要と考える。あるべき姿に関し、本稿では生活リテラシーを備えた生活戦略人であるとともに、生活に関る哲学や理念を持った生活者像を提案している。それは自らの効用を最大化することのみに関心を集中する者ではなく、社会の一員としてコミットメントの意識を持って行動する人間であり、感謝の経済学という理念を持って社会に帰属意識を持ち、長期的な共栄を目指して判断し、行動する主体を指す。

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