山下 満智子
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2007年06月30日 |
山下 満智子
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住まい・生活 |
食生活 |
情報誌CEL (Vol.81) |
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はじめに
一九七〇年以降、日本の食環境が大きく変化して、今日さまざまな弊害が指摘されるようになった。またその問題は国民全体の問題となっており、今後「食育」が解決していかなければならない課題は非常に広いと言える。
食育基本法では、家庭、学校、地域が連携してこの問題に取り組み、食に対する適切な判断力を養い、生涯にわたって健全な食生活を実現することにより、国民の心身の健康と豊かな人間形成に資することを目的として食育を行うと規定されている。
一方で、この食育基本法に違和感を持つ有識者は多い。食べることにまで国が口を出し、一律に法律で縛られることや、食にわざわざ「育」をつけることへの抵抗感があるからだ。
しかし、食生活や食の躾に悩んでいる方は多く、食生活を原因とした生活習慣病(これを解決するだけでも大変なのだが)以外にも、食の安全・安心の問題や食料の自給率の問題、ゴミの問題、水の汚染や環境破壊などさまざまな弊害がおこっている。食べることは確かに個人の問題であるが、全ての人が食べることに無縁ではいられない。食の問題解決の糸口を見つけていく、そんなきっかけとして食育基本法に期待したい。
今号の特集では、多くの食育の課題の中から「食育の場としての家庭の食卓」をテーマに取り上げることにした。