的場 輝佳
2007年06月30日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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備考 |
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2007年06月30日 |
的場 輝佳 |
住まい・生活 |
食生活 |
情報誌CEL (Vol.81) |
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今日、わが国においては、世界に類を見ないほど豊富な食材が流通していて、欲しいと思えば何でも手に入る”極めて豊かで恵まれた食環境“にある。しかし、国民は飽食を謳歌して、一見、心身共に健全な生活を営んでいるように見えるが、食生活において看過できない深刻な問題がある。その第一は、幼児や児童・生徒に見られる個食や孤食、偏食や欠食など、家庭での食卓を介した家族間のコミュニケーションが欠如し、子どもたちの健全な成長や人格形成に支障があることである。第二は、食生活の乱れに由来することで、若年層(特に、女性)が低栄養状態にあること、壮年層に肥満やメタボリックシンドロームなどをはじめ、生活習慣病の発症増加が危惧されることである。さらに、世代を超えて、健康食品を過信し、サプリメントに依存する異常な食行動が見受けられることも見逃せない最近の問題である。
このような背景の中で、特に、子どもたちの生活の乱れを憂慮して、二〇〇五年五月、議員立法で「食育基本法」が成立、同年七月に施行された。本法律の前文(一部抜粋)に、”子どもたちが豊かな人間性を育み、生きる力を身に付けていくためには、何よりも「食」が重要である。食育を、生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置づける“と、子どもたちへの食教育の重要性を述べている。また、”食育はあらゆる世代の国民に必要なものである“と国民の健康増進の啓発をも意図している。