井口 貢
2007年03月30日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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2007年03月30日 |
井口 貢 |
都市・コミュニティ |
地域活性化 |
情報誌CEL (Vol.80) |
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改めて地域ブランドについて考えてみよう
地域ブランドとは何か。これについて改めて考えようとする時、あるいは何とかして地域ブランドをつくりたいと苦慮する地域においては、「地域ブランド構築の根拠とは何か?」と問いかけることから始めなければならないのではないだろうか。 すなわち、地域ブランドに何を求め、何を拠りどころとしてこれをつくりあげていくのかという視点である。 二〇〇三年(平成一五)一月に、当時の首相小泉純一郎による国会施政方針演説のなかで謳われた、いわゆる観光立国宣言以降、国の施策としても強く推進されていくことになる観光振興政策の文脈中でもしばしば使われる「一地域一観光」という構想は、まさに地域ブランドの構築を強く求めるものであると言ってもよいだろう。そしてかつて、平松守彦が知事在任時に大分県で展開された「一村一品運動」は、その原型であったとも言えよう。個々の事例を取り上げ論じる紙幅の余裕もないが、由布院、安心院、豊後高田など大分県においては、枚挙に暇がないほどに、地域ブランドの形成がまちづくりと一体となって進展し、その結果として新たな、” もうひとつの観光振興“の地平を開いたことは記憶に新しい。