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情報誌CEL

井上 芳郎

2007年03月30日

豊岡におけるアントレプレナーシップ―地元産品を中心にくり広げられるベンチャー・スピリット

作成年月日

執筆者名

研究領域

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媒体(Vol.)

備考

2007年03月30日

井上 芳郎

都市・コミュニティ

地域活性化

情報誌CEL (Vol.80)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。

 兵庫県の日本海側に豊岡市というまちがあります。このまちはコウノトリが棲息しているまちとして有名です。コウノトリは翼を広げると二メートルにもなる巨大な鳥です。種々の要因で棲息環境が悪化し、一九八六年に国内の野生コウノトリは絶滅しましたが、その後、このまちの人々の努力で繁殖が続けられ、一昨年の十一月には秋篠宮殿下および紀子妃殿下による自然放鳥が行われるまでになりました。その後のいきさつは皆さんご存じの通りです。今では水田で餌をついばむコウノトリの親子や、大空を舞うコウノトリなど、昔さながらの風景が復活しつつあるようです。遠く豊岡のまちを離れ、京都や姫路までの大飛行を行なったコウノトリもいると聞きます。 そのような環境を復活させるためにまちの人々が果たした役割は小さくありませんでした。コウノトリの餌となるドジョウ等の水生動物を復活させるため、収穫量の減少を承知の上で農家は施肥方法について工夫を行ないつづけています。山間に設けられたコウノトリの繁殖地の維持も大変です。そのような労をいとわず、このまちの人々は「コウノトリの住むまちづくり」を選んだのです。さらに、コウノトリの郷である豊岡市は、二〇〇六年四月に近隣にある温泉地として有名な城崎町と、和そばで有名な出石町を加えて新たなまちとして再出発することになりました。志賀直哉が名作を生んだ温泉地と三〇〇年のそばの歴史を持つ城下町、さらにコウノトリを加えて、このまちは観光の地としての可能性を開花させようとしています。

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