山口 昌伴
2007年01月31日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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媒体(Vol.) |
備考 |
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2007年01月31日 |
山口 昌伴 |
エネルギー・環境 |
エネルギー・ライフスタイル |
情報誌CEL (Vol.79) |
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―はっけよーい 発気用意
本稿に頂戴したテーマは「多様なエネルギーとの付き合いが生活能力を育む」。特集テーマは「多様なエネルギーで豊かな暮らし」。「多様なエネルギー」は、水・風・火の三つに絞り込んで、見つめてみよう。「豊かな暮らし」を「育む生活能力」は、生活の質を高めるために「文化」を深める「エネルギー」と対応させていける知力をいう。言い換えれば、「エネルギー文化」力を育むことが、本稿の視点になる。そこで、本稿の主題は「水のエネルギーから引き出す生活文化」「風のエネルギーから引き出す生活文化」「火のエネルギーから引き出す生活文化」を見つめることにある。以上の意を込めて、本稿の表題は「エネルギー文化―水の文化・風の文化・火の文化」とした。この「エネルギー文化」は、ちょっと「・」を入れたら、何と本稿の依頼主であるエネルギー・文化研究所の「苗字」と同じになる。じゃあ「・」を入れよう。依頼稿の表題をひねり出したら、依頼主の苗字になってしまったとは、私の永い筆耕歴のうちでも初めてのことである。嬉しいな、というより目出度いナ!
―節水文化が水のエネルギー・文化 水の文化
水エネルギーといえば、水力発電や水車によるエネルギー活用、そして貯水浄化から給水、排水、下水処理などの資源エネルギー消費(負荷)の二面で、たいへんなエネルギー量が動いているが、いずれも生活場から離れている。水力利用が、直接、生活場面に文化として現れてくるものとしては、風景オブジェとしての古水車の移築や、水車以前の唐臼式米搗き装置のミニチュアで搗き音だけを愉しむ「鹿威し」ぐらいのものであろう。そこで生活場面での水エネルギー文化とは、生活場面での水遣いの仕方(作業方法=作法)によって、先述の水力利用と給排水の二面での膨大な資源エネルギー負荷を活かし切ることによって、この膨大な環境負荷を軽減することにある。つまりは、「節水」がテーマとなる。水エネルギー文化とは節水文化である。