島村 八重子
2006年06月25日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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2006年06月25日 |
島村 八重子 |
住まい・生活 |
住生活 |
情報誌CEL (Vol.77) |
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住み慣れた家でいつまでも…
「いつまでも住み慣れた家で暮らし続けたい」。
高齢者がよく口にする言葉です。高齢者にとってこの言葉は、「いつまでも元気で、家族の手を借りずに過ごしていたい」ことの表れで、同時に裏側には、「もしも寝たきりになったり、ひどい認知症になったりしたらここには住めない。家族に任せて、施設など住むところを探してもらわなくてはならない」という不安をあわせ持っている人がほとんどのような気がします。
そうならないために、散歩をして足腰を鍛え、栄養バランスの良いものを食して健康に留意し、新聞をくまなく読んで頭を衰えさせないようにしながら毎日を過ごすという人も多くいますし、それを推奨する国の動きもあります。でも、私の頭の中には小さなハテナが駆けめぐるのです。
人はみな、年をとれば体力も衰えます。また、気力も判断力も落ちるものです。それまでは一人で自分の生活のすべてを完結させていた人でも、誰か他者の手を借りることで暮らしを成り立たせる日がくるのは自然の摂理です。介護が必要になるということは、この状態がだんだん進んで、他者の手がたくさん必要になってくること。