CEL
2006年06月25日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
カテゴリー |
媒体(Vol.) |
備考 |
---|---|---|---|---|---|
2006年06月25日 |
CEL |
住まい・生活 |
住生活 |
情報誌CEL (Vol.77) |
ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。
一七年をかけて都心部回帰の環境づくりを実現
かつて公害問題などが起こったこともあり、北九州市はいまだに工業都市としてのイメージが強い。だが実際には、地理的条件を活かして東アジアの中心都市へと脱皮を図りつつ、過去の公害体験をもとにゼロエミッション都市を目指すなど、全く新しい都市に生まれ変わっている。
その象徴とも言えるのが、北九州市を南北に流れる紫川だ。「昔は真っ黒な川でしたが、今は親水空間もでき、子供たちが裸足で水遊びができるほどきれいになっています」と北九州市企画政策室の中本成美主幹は言う。「都市を再生するための長短の計画を立て、その実現の進度も公開し、市民の評価も踏まえながら、一七年かけて新しいまちづくりを着実に進めてきました」。具体的には、新しい産業を創出・育成するために早稲田大学をはじめとする大学や研究機関などを誘致。また、二四時間使える空港や大水深港湾などの物流拠点を整備するとともに、それらを結ぶ高速道路網の建設など、新しい北九州市へ生まれ変わるための長期計画を立て、その実現を進めてきた。
その一方で即効的な施策として「門司港レトロ地区」整備などによる観光客の誘致を図り、かつての四倍もの観光客が訪れる都市へと生まれ変わっている。「即効性のある事業を進めることで、目に見える実績を上げながら、長期的な将来ビジョンに向けての計画も進めました」。かつて大工場で働いていた人々が大幅に減る中で、人口減を最小にとどめることができているのも、この将来を見据えた都市再生計画が着実に成功しているからだ。