豊田 尚吾
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2006年06月25日 |
豊田 尚吾
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住まい・生活 |
消費生活 |
情報誌CEL (Vol.77) |
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はじめに
景気拡大基調が続き、戦後最長の「いざなぎ景気」越えも射程に入ってきている。経済成長率の低さから、実感の伴わない好景気とはいうものの、雇用環境の回復など生活者にとっての朗報もある。そのような中、消費に関しては薄型テレビをはじめとして、洗濯機、掃除機、炊飯器といった住まいの家電でも高機能高価格の製品が売れ筋と聞いている。また、最近耳にするのは、ネット検索による情報収集を製品選択の際に利用するという消費行動である。いったい消費者は、どのように行動する傾向を持ちつつあるのだろうか。また、それはどのような意味があり、今後の展望はどう捉えるべきであろうか。本稿では現代の消費のトレンドを眺めつつ、そこに潜む意味を抽出し、将来の展望につなげることを試みる。
結論として、情報技術の進展による新しい消費意思決定方略が広がる可能性があること、そして、それをうまく活用するためにも、消費についてあらためて考えて行動するという、新しい消費行動習慣が必要だということを主張したい。そのために次節では、現代消費のトピックスなどのデータを基にして、潜在するキーワードを抽出する。第三節では消費者の意思決定理論に関わるAIDMAとAISAS、AIDEES(詳しくは後述)、あるいは(内的)参照価格という用語を切り口に、消費の新しい局面を考察する。第四節ではその変化がどのようなトレンドを導く可能性があり、消費者はどう対応すべきかについて述べる。