豊田 尚吾
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2006年03月25日 |
豊田 尚吾
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都市・コミュニティ |
地域活性化 |
情報誌CEL (Vol.76) |
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はじめに―電子マネーが動き出した―
都市生活において、電子マネーという、“新しいお金”が出回りつつある。今回は電鉄会社が普及促進に努めている電子マネーを中心的な題材として、都市における、新しい生活要素としての電子マネーの可能性と課題について考察する。
電子マネーと大げさにいっても、実用上はプリペイドカードの延長、あるいはクレジットカードのお手軽版くらいにしか認識されていないのかもしれない。ただ、その存在に対する認知度は高い。昨年、大阪ガスエネルギー・文化研究所で行ったインターネット・アンケート調査(※1)によると、「Edy(エディ)やSuica(スイカ)などの電子マネーの利用範囲が拡大し、脚光を浴びた」ということを「内容まで詳しく知っている」と答えた方は、全体(一〇七三人)の二一・二パーセント、同じく「だいたい知っている」が三三・六パーセントであった(次頁表1)。
このように関心を持たれている電子マネーは、それを取り扱う端末などのシステムが必要であるため、必然的に投資効率のよい都市部から導入されることとなる。実際、先ほどの認知率でも、先行して導入したJR東日本管内、特に関東圏でのそれが突出して高い。もし今、同じ調査を行った場合には、ICOCA(イコカ)が広まりつつある関西の認知率も大きく向上しているであろう。その意味では、現在のところ、電子マネーは都市生活と切り離すことのできないトピックといえる。 さて、このような電子マネーの中で、普及が急速に進んでいるのが、電鉄会社が導入をしようとしている非接触IC利用カードである。いうまでもなく、その代表がSuicaであり、最近では携帯電話と融合させた「モバイルスイカ」の実施が話題になっている。