豊田 尚吾
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2005年12月25日 |
豊田 尚吾
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エネルギー・環境 |
環境対応 |
情報誌CEL (Vol.75) |
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環境問題に対して以前までは、京都議定書、環境税の是非といった堅い話題が多かったが、最近ではクールビズ(あるいはウォームビズ)、チーム・マイナス六パーセントなどの身近なテーマとして語られることも多くなりつつある。これは生活者にとって、環境問題が生活の一部として定着しつつあることを示しているように思う。少なくとも、ゴミ回収の制限をはじめ、環境に対する配慮や取り組みの必要性が日増しに高まっていることは確かである。その一方で、その成果は十分満足できるものではなく、あるべき姿と現実とのギャップの解消に取り組むことが大きな課題となっている。
本稿では、環境問題に対する新しい視点を提示することを目的としている。具体的には、生活者の環境問題への取り組み姿勢に関し、生活者間に差異があるのかを確認し、実際に分類を行ってみる(クラスター分析)。その結果として得られる分類(グループ間)の特徴を明らかにするとともに、各人がどのグループに属するかの判別をなるべく簡易に行う方法について考察を行う(判別分析)。
また、各グループの特徴を明らかにする過程で、基本的な価値意識、生活余裕度、他者との交流という要素が重要であるということを仮説として提示する。そして、生活者の環境対応を促進するために、生活者全員を一体のものとして捉えるのではなく、彼らを分割(セグメント)した上で、異なる施策を対応させることが必要であると主張する。つまり、各セグメントは、価値意識や目的意識が異なるため、環境配慮行動を促進するための施策についても、それが効果的であるためには、異なる方法が必要だということである。