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情報誌CEL

延藤 安弘

2005年06月30日

のびのび空間、わくわく世界、次から次の過程を育む「まちの縁側」-コミュニティ再生・再創造のアプローチ-

作成年月日

執筆者名

研究領域

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媒体(Vol.)

備考

2005年06月30日

延藤 安弘

都市・コミュニティ

コミュニティ・デザイン

情報誌CEL (Vol.73)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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コミュニティの関係性づくり―まちの縁側の役割 天草の海と陸が溶けあう、ある離島を訪ねた時のこと。小生の名刺を受け取った町役場の課長さんは、NPO「まちの縁側育くみ隊」の文字に眼をやりながら、けげんそうに「まちには、もう縁側がなくなったんでしょう?」と問われた。「そうです。ヒトとヒトの間がキレギレになっている今、地域社会に縁側をよびさます願いをもって『まちの縁側』を掲げています」と返す。「この島の家々には今も縁側があり、私も仕事が終わると、ボーッと縁側に座り、道行く人あれば『お茶をどうぞ』『酒を飲もう』と呼びかけ、くったくのない話し合いと笑い声が、その場に響き始めます」と。その言葉を裏書きするかのように、島の年寄りたちが大木の影に身を寄せつつ、ひたすら静かに沖を眺めている風景に出会った。日本の生活空間の原点を垣間見る思いであった。 ところで近代社会は、機能優先の便利な生活と標準的な空間を全体におしひろげたが、その「豊かさ」とは裏腹に、人間の重要な営みである多様なコミュニケーションの意味をかき消してしまった。機能によって意味が棚上げされることをこえて、生きる意味を深く多面的に反芻する状況づくりは二一世紀の課題である。「モノ・カネ・セイド」優先をこえて、「ヒト・クラシ・イノチ」尊重の意味ある、生の実感のあるコミュニティを回復・再創造していくための有効なキーワードが「まちの縁側」である。

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