CEL
2005年06月30日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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備考 |
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2005年06月30日 |
CEL |
都市・コミュニティ |
コミュニティ・デザイン |
情報誌CEL (Vol.73) |
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地域コミュニティを生みだしたバス運行
高台にある住宅地には、確かに美しい風景やきれいな空気といった都心部にはない魅力があるが、アクセスがない場合には『陸の孤島』と化してしまう。神戸市東灘区住吉台は、その典型的な例で、昭和四〇年代、兵庫県住宅供給公社などが開発した六甲山中腹の高台にある住宅地だが、三〇年以上たった現在、市バスの路線から外れているため移動に不便ということで住民は減少傾向にあり、また急速に高齢化が進んでいた。
そこで、バス運行を望む声が高まったが、市バスが運行するために必要な道幅がないなどの理由から、その願いは頓挫。そこで民間業者も加えて、どうにかバスが運行できないかと模索し、内閣官房・都市再生本部から認定された全国都市再生モデル調査として、平成一六年二〜三月の約四〇日間、地元のNPO法人コミュニティ・サポートセンター神戸がバス実験運行を実施した。
その結果、単なる移動手段だけでなく、高齢者の外出の増加や地域コミュニティ育成への寄与などが確認され、「住民合意による市民の生活交通を再構築する」ことを目的とした「東灘交通市民会議」が発足。そして今年の一月二三日から「住吉台くるくるバス」の運行が実現した。