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2005年03月15日

炎が旨味を創り出す-土佐本場の「かつおたたき」

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媒体(Vol.)

備考

2005年03月15日

CEL

エネルギー・環境
住まい・生活

エネルギー・ライフスタイル
食生活

情報誌CEL (Vol.72)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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かつおは、日本の各地で季節を告げる魚。南方生まれのかつおは、ある大きさになると黒潮に乗り、餌を追いながら北上する。

三月に九州・四国、五月には伊豆・房総、六〜七月には三陸沖に達する。 これが「上りかつお」で、この間のはしりが「初がつお」だ。この後、たくさんの餌を食べて大きく育つと、八月下旬から十月にかけて産卵のため南下する。この時期のかつおが「戻りかつお」で、脂肪がたっぷり乗っていて、こちらを好む向きも多い。

 このかつおの旬の味にこだわる店として知られるのが、大阪はミナミ、法善寺横丁の「に志むら」。開店以来五十五年になるが、現在のご主人・西川義廣さんは、高知出身の初代の味を、今もしっかり守り続けている。豪快な皿鉢料理や鍋はもちろん、茅の直火で焼く「かつおたたき」は絶品と評判だ。

 かつおたたきは、土佐の伝統的なかつおの料理法。 松葉や藁や茅などを火種にして、かつおの身の表面だけを焼いたものだ。

 「うちでは茅の炎で炙ります。 活きのよい魚であればあるほど、茅の薫りをふんわりまとい、火入れした身の味が独特の旨味となって生きてくるんです」と西川さん。

 お客さまからの注文を受けるとその度に、かつおの身を切り、皮目に塩をふり、店先の窯に熾した茅の火で焼く。

 「茅を使うのは火力の強さが欲しいから。強い炎の真上で一気に手早く焼く」

 これぞ直火の妙。

 

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