真名子 敦司
2005年03月15日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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媒体(Vol.) |
備考 |
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2005年03月15日 |
真名子 敦司 |
エネルギー・環境 |
エネルギー・ライフスタイル |
情報誌CEL (Vol.72) |
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「火のある暮らし」の実態把握に向けて
エネルギー事情の変化や器具の発達にともなって、我が国では「火のある暮らし」の象徴であった囲炉裏やかまどや火鉢が廃れつつある一方で、欧米ではセントラルヒーティングが普及した今も、伝統的な暖房器具である暖炉が健在といわれている。その違いは一体何に起因しているのだろうか。
「火のある暮らし」の実態把握を目的に、日英米各国の暖炉と我が国の囲炉裏の現状について調査した。今回は、その結果の概要を報告したい。
まず、主な調査条件を下表に示す。
国によって異なる暖炉のタイプ、燃料は薪かガス
暖炉は設置方法によって埋め込み型と据置き型、燃焼室の扉の有無によって開放型と密閉型に分類される。我が国では据置き・密閉型、イギリスでは埋め込み・開放型、アメリカでは埋め込み・密閉型が主流である。
暖炉の燃料は、我が国とアメリカでは約七割が薪で、二割前後がガスである。イギリスではガスが主流で五割を超え、残りは薪と石炭に二分される。イギリスでは、都市部において石炭や薪の使用が禁止された後も、「火のある暮らし」の伝統を守るために燃料がガスへ転換され、ガス焚きの暖炉が広く普及しているのである。
日英米ともに、薪の選択理由は「本物の炎を楽しみたいから」が五割前後を占める。また、イギリスで主流のガスの主な選択理由も、やはり「本物の炎を楽しみたいから」であり、日米におけるガスの選択理由は「手間をかけずに、本物の炎を楽しみたいから」という。