七尾 純
2004年09月30日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
カテゴリー |
媒体(Vol.) |
備考 |
---|---|---|---|---|---|
2004年09月30日 |
七尾 純 |
エネルギー・環境 |
環境対応 |
情報誌CEL (Vol.70) |
ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。
環境教育の始まり
環境教育が小学校教育に取り入れられてはや十五年がたち、手探りで始まった環境教育も徐々に定着しているようです。
日本で環境教育の取り組みが始まったのは、一九六九年の中学校保健体育科の改訂からで、その中にはわずかながら環境教育の萌芽がみられます。
欧米ではそれよりも早く、既に一九六〇年代から始まっています。酸性雨、ダイオキシン、森林の砂漠化、地球温暖化など環境の異変が深刻化し、イギリスで出された「プラウデン報告」(一九六七年)に始まり、アメリカ合衆国では環境教育法制定(一九七〇年)、さらにストックホルム国連人間環境会議(一九七二年)を経て、環境教育の必要性が国際的に認知されるようになりました。
それを受けてわが国では、教育課程の基準を定めた学習指導要領の改定が中学校保健体育科(一九六九年)に始まり、つづいて中学校および高等学校の社会科、理科および保健体育科(一九七七―一九七八年)の改定で環境教育に関わるテーマが充実し、環境教育への取り組みが明確化されました。
小学校教育に環境教育が取り入れられたのは一九八九年です。環境教育に大きく関わる「生活科」が新設され、さらに二〇〇三年からスタートした「総合的学習の時間」の内容の一つとして「環境」が学習指導要領に明記されました。