ホークス みよし
2004年03月26日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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2004年03月26日 |
ホークス みよし |
エネルギー・環境 |
エネルギー・ライフスタイル |
情報誌CEL (Vol.68) |
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那須で暮らし始めた頃
私が那須に暮らし始めたのは、今から九年前の春も終わりに近づく頃だった。 ステンシルの仕事をライフワークとして考えた時、ここでの田舎生活を選択したのは、とても自然ななりゆきだった。
南斜面の広い敷地には、何十年も人の手入れがない杉や雑木がうっそうと生い茂っていた。その土地を、何も考えず、直感といってよいくらいの思いで購入した。その後、家を建てる場所とその周りを開墾して、シンプルな家を建てた。直感で住む場所を決めたわりには、すぐに電気を引くことができたり、井戸水も予定通り掘ることもできたりしたことが、今から思えば奇跡のようだった。
後で土地を購入する時のさまざまな心構えや注意点を聞かされ、冷や汗が出る思いだった。私なりに、すぐ近くに産業廃棄物処理場があることや、あたり一面の山々が、三〇年以上も前に開発された別荘地でありながらも、今だに一軒も家がなく、森はほとんど手つかずのままに放置されているということなども知っていた。私が住むことで、このあたりの森の番人になることができればいいと覚悟して暮らすことを決意していた。水や電気は大丈夫なのだろうかといったことは、都会暮らしの私には、あまりにも当たり前のことすぎて思いも及ばないことだった。
ここでの生活がいよいよ始まり、引っ越しした時、以前使っていた家具や道具は、全てそのまま持ってきて、設計した予定どおりの場所に納めたのだが、たった一つ新しく購入した物がある。それは薪ストーブだ。これは、ここでの生活を始めるに当たって、どうしてもかなえたい夢の一つだった。