栗本 智代
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2004年03月26日 |
栗本 智代
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都市・コミュニティ |
地域活性化 |
情報誌CEL (Vol.68) |
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〜手作りの「寄席」をめぐる〜
「落語? けっこう好きですよ」という年上の友人が何人かいる。中学生時代からラジオでよく聞いていたとか、親が集めていたカセットテープを借りて聞いたとか。「へえ・・・」と感心してしまった。こちらは、たまたまテレビで見聞きしたことがある他、飛行機の中の番組で何度か耳にした程度。現在の仕事についてからは、研究の題材として上方落語に興味を持ちはじめたが、文献ばかり見ていた。偶然、上方芸能のお祭りのような場で、生で聞いたこともあるが、ベテランの有名落語家であったのに、なぜかあまり面白くなかった記憶がある。
ところが、前回の「大阪再発見」で、野田を探索した時に訪れた“やまがそば”での「そばと落語の会」の楽しかったことといったら(感動したのは、そばの美味しさだけではなかった)。寄席の底知れぬ魅力を垣間見た気がした。そのような、大劇場ではない地域密着型の寄席が大阪には数多くある。高座に上がる人、裏方として準備する人、お客さん、それぞれの場を創る人により、また違った味わいがあるに違いないと思い、あちこちへ寄席をめぐることにした。
田辺寄席
〜大阪最古の地域寄席は、笑いと拍手の連続だった〜
「田辺寄席」は、阿倍野区にある市立阿倍野青年センターで開かれている。今年、三十周年を迎える、大阪ではもっとも古い地域寄席である。
日曜日の昼間、筆者が足を運んだ日はあいにくの天気であったが、雨足が強まる中でも、客席はどんどん埋まっていき、満席に。どうやら、地元だけでなく、京都や神戸からわざわざやって来る常連さんも多いようだ。