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CELレポート

豊田 尚吾

2008年12月01日

消費の倫理性〜倫理的消費の可能性を考える〜

作成年月日

執筆者名

研究領域

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媒体(Vol.)

備考

2008年12月01日

豊田 尚吾

住まい・生活

消費生活

CELレポート (Vol.36)

2008年度 全国消費者フォーラムにおける報告内容

ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。

1.はじめに 〜問題(課題)意識〜

社会の維持可能性に対する懸念が高まっています。地球環境問題のような世代を超えた長期的課題、あるいは昨今の金融危機や資源価格の高騰など、グローバル経済の中での取引秩序に対する不全。またそのような経済取引の結果として富の偏在が大きくなる中での貧困問題。世界人口は60 億人を超え、資源のみならず、食料や水などの生活必需財の供給に対する不安も大きな課題となっています。日本国内に目を転じると、少子高齢化による人口構成の変化に対応できるような経済システムの構築に展望が見えず、生活不安の種となっています。また、経済の成熟化や経済格差の拡大だけが原因とはいえないものの、いわゆる地域を中心とするコミュニティの基盤が疲弊、いわゆるソーシャルキャピタルが劣化し、安全や安心を確保する生活の再構築が必要となっています。以上のような課題は、社会の維持可能性に対する脅威となって意識されています。そうであるならば、あるべき社会をどう形成し、様々な課題に対してどのように対処すべきかを考え、方向性や基本理念を打ち出していかなければなりません。それを消費者(生活者)レベルで考察することが今回の目的です。

2.基本認識

上で挙げたような課題に対し、国家間での協調、国内政府の各種施策が現時点での主な処方箋です。しかし一方で、国家は強大な権力を持つ故にその濫用には慎重でなければならず、秩序の規定や実践のためには民主主義的手続きを経ねばなりません。そのため議論が成熟するまで時間を要し、機動性を欠くという弱点があります。それを補完するのが民間の公的活動であり、昨今ではNPO がそれぞれ独自の理念に基づいて機動的な草の根の活動を展開しています。企業も市民として社会的責任(CSR)を果たすべく行動し、賛否両論あるものの、それは生活者にも認知されつつあります。

 

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