濱 惠介
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2008年05月05日 |
濱 惠介
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エネルギー・環境 |
再生可能エネルギー |
新聞・雑誌・書籍 |
フジサンケイビジネスアイ、ECOで楽しむ暮らし |
毎日の暮らしに欠かせない電気は、電力会社が供給してくれ、使った分の電気代は払うもの。これは消費者にとってごく普通のことです。
ところが、自宅で太陽光発電を実践すると、この関係を超えた面白い要素が見えてきます。
私は自宅の省エネ・エコ改修の一環として、約2.7キロワットの太陽光発電装置を屋上に設置しました‖写真。パワーコンディショナーという機械で直流を交流に変換し家庭用の電圧に直して使います。使いきれない分は配電網に送り返し、電力会社に売ることができます。電力計は買うのと売るのと1個ずつ設置され、別々に計量・決済されます。新緑がまぶしいこの季節、1月当たりの発電量はほぼ最大となります。太陽の出ている時間が長く、気温がまだ低く、太陽光がパネル(モジュール)に当たる角度が適当、という条件が整うからです。
太陽光が自宅の屋池に当たって作りだされる電気は、温暖化や環境汚染を引き起こさないクリーンなエネルギーです。
わが家の場合1カ月平均の発電量が234キロワット時(売電量176に対し、消費量は167キロワット(買電量111)時でした。差し引きで発電が消費を大きく超えています。
電気料金で表せば、払ったのが1カ月約2千円に対し受け取ったのは約4千円でした。単なる電気の消費者から生産者・販売者を兼ねる立場になった訳で、心構えも変わります。 売れる電気を無駄に使ってしまうのは、それこそモッタイナイこと。わが家の電力消費量が格段に少ないのは、その意識が強く働いて様々な工夫をして来たからと思われます。
「太陽光発電は高い」とか「投資回収が難しい」と言われます。これは現行の価格と制度を前提とした論議に過ぎません。
環境を壊さないという価値を正当に評価し、クリーンな電気を政策的により高い価格で買い取る保証が必要です。つまり制度設計さえ上手にできれば、投資は確実に回収でき、現在足踏みしている太陽光発電の普及は再び加速するでしょう。