栗本 智代
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研究領域 |
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2007年12月30日 |
栗本 智代
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都市・コミュニティ |
地域活性化 |
新聞・雑誌・書籍 |
フジサンケイビジネスアイ連載コラム |
西船場、新町1 丁目の「スポーツカー関西」というクラシックカー修理販売業の倉庫兼工場跡に、平成1 4 年、インテリアショップ「pour annick」が誘致された。工場の建物構造を生かした洒落たショールーム店舗の出店は、新町界わいの「住」空間のクオリティを向上させるきっかけとなった。
続いて、立売堀1 丁目にも「日常生活を彩る店舗を」と生地の専門店「F I Q 」が誘致され、倉庫がファブリック専門店に変身した。仕掛け人は、有限会社バックステージの河合義徳さん。古い物件に住まい関係の店舗を誘致してきたが、次はショップ単体だけでなく、エリア全体のプロモーションが必要だと模索していた。
一方、W e b ディレクター、有限会社エー・エム・アールの高橋隆一郎さんと近藤光央さんは、インターネットをあえて特定エリア内のコミュニケーションツールとして活用することを思案していた。もう一人、住宅の建て主と建築家をコーディネートする「家づくり計画アドバイザー」の幸田真生子さんは、建て主に対し住宅設備メーカー各社の情報を中立的に発信する有効な手段の必要性を感じていた。これらの考えが出会い、「この町独自の活性化」をめざす「地域連動型住まいづくり情報発信W e b 構想」が立ち上がった。
「この街を“ 住まい・素材の市場” として広く認識してもらいたい」という想いから「su-mart( スマート)」というネーミングに。地元貸しビル会社とフリーライターも運営に加わって、5 者全員が共同代表者となり「su-mart 合同会社」を設立。W e b 上の発信をベースにイベント企画や運営、家づくりサポート事業も行う。
四ツ橋筋や御堂筋の本町周辺には、住宅設備関連のショールームやインテリア店舗が4 0 社以上も集まっているため、住まいづくりを検討する人にターゲットを絞り、本町界隈に人を呼び込もうというもくろみだ。
「登録店は現在4 4 店に。大切な情報発信パートナーです」と河合さん。7 月から登録店との共催で、インテリアショップやショールームの数箇所で、「自分に合った建築家の選び方」セミナーが毎月開催されることとなった。西船場界隈は今、他のエリアと差別化された住まいづくりのまちとして新たな展開をみせつつある。