弘本 由香里
作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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備考 |
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2005年08月05日 |
弘本 由香里
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都市・コミュニティ |
まちづくり |
新聞・雑誌・書籍 |
大阪日日新聞・コラム「澪標」 |
何を隠そう、都心に残された緑のオアシス、大阪城公園を取り巻く数々の文化資源の集積魅力に引かれて、大手前近くに住まいを求めた私である。大槻能楽堂や山本能楽堂へ歩いて出かけて能を楽しみ、大阪城公園の花々や木々を眺めつつの散歩で寛ぎ、歴史博物館や現代美術センターに立ち寄り知的刺激を受け、ドーンセンターや文化情報センターで諸々の活動に触れ・・・、徒歩圏で選択できる文化的なアクティビティは枚挙に暇がない。それだけに、この夏、満を持したかのごとく盛り上がってきた、大阪城公園を取り巻く数多の文化イベントの集中・連携開催は何よりの喜びである。7 月下旬から8 月を中心に「大阪・アジアアートフェスティバル」と銘打って、そのコア事業としてのクラシック音楽祭、短編演劇祭、世界の短編映画祭が連続開催されるとともに、同時期に開催される数々の関連性の高いイベントをネットワークし、一体的なPR が行われている。「フェスティバル」としての魅力・相乗効果を高めていこうという、関係者が手を結んでの大きな文化的ムーブメントといってもいいだろう。参加事業の第1 弾、(財)大阪21 世紀協会主催の「舞台芸術・芸能見本市2005 大阪/通称pamo ぱも」(パフォーミング・アーツ・メッセの略)は、ちょうど天神祭のクライマックス・船渡御の日(7/25)にオープニングを迎えた。偶然の符合とはいえ、大川を中心に、まちが祝祭の色に染まる中、pamo はなんと天神祭の花火を借景にしながら、OBP(大阪ビジネスパーク)一帯を会場に開幕することとなったのである。古来、祭礼と芸能は不可分の関係にあった。であれば、都市祭礼を代表する天神祭と芸術・芸能の見本市が、川を挟んで一体的・連続的に魅力を放っていくことは理にも情にもかなっている。大阪ならではの祝祭の時空を生み出す可能性があるのではないかと胸もときめく。また、関西経済連合会が呼びかけた「大阪シアターパーク構想」も大阪城公園周辺の13の劇場・ホール関係者との協働で動きだしている。pamo での大阪シアターパークのブース展示や、大阪シアターパーク見学ツアーの開催、そして「OSAKA Theater Park 大阪城エリアエンターテインメントマップ」の発行といった心ときめく仕掛けが生まれている。