弘本 由香里
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研究領域 |
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備考 |
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2005年03月25日 |
弘本 由香里
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都市・コミュニティ |
まちづくり |
新聞・雑誌・書籍 |
大阪日日新聞・コラム「澪標」 |
今年(2005年)は、国連による「持続可能な開発のための教育(持続可能性教育)の10年」の始動年であることをご存知だろうか。日本が提案して実現した国際的な取り組みである。国内では04年に「環境保全活動・環境教育推進法」も完全施行されている。
こうした動きの中で、学校教育の場で取り組まれている、総合的学習の時間に期待が寄せられている。しかし、「環境」や「持続可能性」にかかわる複雑な問題を、子どもたちが自分自身の暮らしとのつながりの中で総合的に把握し、課題解決力を身につけていくためには、従来の学校教育の枠組みだけでは限界があるのも事実である。
省エネやリサイクルやリユースの知識の習得だけに止まらず、子どもたちの生活に根差した体験的な気づきが、学校・家庭・地域の中で連続的に積み重ねられ、肉体化していかなくては、ほんとうの学びに結びついていかない。
そんな問題認識にたって、学校・家庭・地域をつなぐ学習の仕組みづくりに取り組み、実績を上げているNPOがある。兵庫県西宮市にある、NPO法人「こども環境活動支援協会(略称・LEAF)」である(代表理事・千頭聡、筆者も理事の一人)。
LEAFが西宮市と協働で実施している代表的事業の一つが、環境学習事業「2011年・地球ウォッチングクラブ・にしのみや(略称・EWC)」。西宮市の全小学生約24,000人を対象に「エコカード」を配布し、同時に学校の先生や地域の商店主、公共施設の関係者、子ども会やボーイスカウトなどのリーダーをはじめ、大人約1,500人に「エコスタンプ」を押してもらうことができる仕組みである。カードとスタンプを媒介に、子どもたちの気づきや大人と子どものコミュニケーションを紡いでいくという発想だ。