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豊田 尚吾

2004年12月01日

生活戦略論(5)「占いからライフスタイルへ」

作成年月日

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媒体(Vol.)

備考

2004年12月01日

豊田 尚吾

住まい・生活

消費生活

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(財)統計情報研究開発センター「ESTRELA」2004年12月(No.129)所収

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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1. はじめに

「ズバリ言うわよ!」占いでお悩み解決を図るテレビ番組が人気らしい。勿論本気で占いを信じている人はそう多くはなかろう。お遊びのひとつとして楽しむことには何の問題もない。ただ、芸名を変えさせられたり、気分を害したりといったことが積み重なっていくことにでもなれば、視聴率が良いからと言って手放しで拍手するわけにもいかなくなる。

何事も節度が肝心である。「当たるも八卦、当たらぬも八卦」の占いに関心を持ち続けることができるのは、供給側(占い師側)の人心掌握のノウハウがある。それは当然としても、根本的には人々の「将来のことが知りたい」という抑えきれない欲求が、占い師に付け込まれる弱みとして存在しているのであろう。似たようなエンターテインメントのひとつに血液型による性格判断がある。これも見た目では分からない人の性格や気持ちを知ることができたらという欲望が根底にある。しかし、前頭葉がどうの、海馬がどうのという説はあるものの、血液型と性格には関係が見出せないというのが現在のところの科学的合意事項である。無論、だからと言って、今後将来にわたって血液型と性格との関係が実証されないという保証はない。もし関係が実証されても、今言われているような俗説と異なるものかも知れないが、血液型遊びを頭から否定するものでもない。問題となるのは、これらが節度を超えて生活に入り込んできたときである。血液型性格判断では、AB型やB型がやや変わった性格として位置付けられている。「やっぱりAB型だと思った」「あの人はB型だから」というような使われ方をすることが多い。AB型は日本人の1割弱、B型は2割強とのことである。菊池聡氏が『超常現象の心理学』(平凡社新書)でも指摘しているように、いわゆるマイノリティー(少数派)に対する評価が厳しいのである。AB型やB型の人は、血液型性格判断でいやな思いをした人が少なくないのではないか。採用選考で血液型が考慮事項に入っている会社があるという噂は悪い冗談と思いたい。しかし、日常のちょっとした場面で、彼は△型だからこうしようと対応を変えることなどは結構ありそうな話である。さて、今回はこのような、知りたいのに知ることのできない世界を探るための技法について論じてみたい。

 

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