山下 満智子
作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
カテゴリー |
媒体(Vol.) |
備考 |
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2004年09月01日 |
山下 満智子
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住まい・生活 |
食生活 |
学会論文 |
東北大学川島研究室との共同研究。火のある暮らしPJ リビング開発部高倉、定國、田仲、藤阪、エネルギー・技術研究所 保手浜 |
要 旨?
?
住まいの中で暮らしを支えてきた「火」の効用を具体的な「調理」という切り口から検証することを
目的に、近赤外線計測装置(光トポグラフィ)を用いて、東北大学 川島隆太教授の指導で、「調理
中の脳活動」や「親子クッキング中の子供の脳活動」を計測した。?
川島教授は単純計算や音読、他者とのコミュニケーションの行為が、左右の大脳半球の前頭連合
野を活性化し、脳機能を発達、改善させることを実証されており、本実験は、この効果に着目して
東北大学に共同研究をお願いしたものである。?
本実験から音読や単純計算や他者とのコミュニケーションの実証事例に見られたような前頭連合
野の活性化が確認できた。?
従来の研究知見や今回の結果から、「調理を行う」ことによって、前頭連合野を鍛えることができ
ると考えられ、前頭連合野の活性化は、大人であればコミュニケーションや創造力等社会生活に必
要な能力向上が期待でき、子供であれば前頭連合野の働きである情操面や抑制力等、情緒の安定に
結びつくと推測されるという結論が導き出された。?
なお動態による脳活動の計測は、近赤外線計測装置(光トポグラフィ)を使用して近年初めて可
能となった。大阪ガス実験集合住宅NEXT21を使用し、実生活に近い形での調理作業中の脳計測を
行った本実験は、世界で初めての試みであった。