濱 惠介
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2004年03月18日 |
濱 惠介
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ホームプロ、メールマガジン「エコで楽しむ住宅改修(10)」 |
毎日の生活のみならず生命の維持そのものに欠かせない水。エコ住宅にとっても水の利用と処理は大切な項目です。蛇口を回せば自動的に水が出ます。それも飲むことができる程きれいな水です。そして、使った後の汚れた水は下水道に流れどこかへ行ってしまう。このことを私達は当たり前のことと思っていないでしょうか。
水道の水が住宅に届くまでには、ダムを建設し貯水池に水を溜め、浄水場で濾過・殺菌し配水管をたどってきます。その間にポンプで水を送ったり圧力を高めたりするために電気エネルギーを使います。従って、水道の水を使うことはエネルギーを消費することであり、場合によっては川の生態系を壊した犠牲の上に成り立っていることなのです。
水利用での環境負荷を減らす、又はこれ以上増やさないために水を節約することが大切になります。「節水」は省エネルギーと同様に、まず無駄をなくすことが最初です。流し放しや必要以上の水を使うことをやめることです。一度使ってあまり汚れていない水は、他の目的に使えます。風呂の残り湯を洗濯や掃除に使えます。水洗便所に水道水を使うのは、本当はもったいないことです。節水型の洗濯機や節水コマの利用なども有効です。
自宅で獲得できる水もあります。昔は大抵の家に井戸がありました。井戸水は夏にひんやり、冬は冷たく感じません。もし今も井戸があれば素晴らしいこと、大いに活用しましょう。
井戸がなくても雨水が使えます。集合住宅では全体として計画しないと難しいでしょうが、戸建てなら雨水をためるタンクを設けることができます。本格的なものは地下に鉄筋コンクリートや強化プラスチックの貯水槽を設け、ポンプで汲み上げ濾過して利用します。
簡易なものはドラム缶大の雨水タンクが市販されています。付属の架台を用い地上に置くだけ。縦樋の中間を切りとり取水装置を取り付け、樋を流れる雨水を取り込んでタンクにためます。一杯になればそれ以上入らない単純な仕組みです。雨水に含まれる汚れはタンクの底に沈殿し、少し上に設けられた蛇口からは澄んだ水が出ます。雑巾洗いや植栽への水遣りには十分です。我家で利用する雨水の量は限られていますが、節水意識を大いに高めてくれました。