濱 惠介
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2004年01月22日 |
濱 惠介
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エネルギー・環境 |
再生可能エネルギー |
WEB |
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我々は意識する・しないに関わらず、自然エネルギーの恩恵を受けて生きています。そもそも、気温が適当な範囲に保たれて、自然光で景色が見え、風が吹き、田畑で食べ物が得られる、これらは全て太陽エネルギーのお蔭です。わざわざ「自然エネルギーを利用する」と言うのは、我々が電力や石油・ガスに頼りすぎていることの裏返しかもしれませんね。
自然エネルギーは密度が低く不安定で頼りない、と批判されることがあります。しかし、再生可能で環境負荷の小さな自然エネルギーをもっと有効に利用できれば、環境問題の多くは軽減されます。特に太陽エネルギーは、石油のように武力で奪い合になったりするものではありません。本来、誰にでも平等に使う権利がある平和的なエネルギー源です。住宅における太陽エネルギー利用の代表例として、太陽光発電と太陽熱給湯を取り上げます。
(太陽光発電)太陽の光を受けると、太陽電池が直流の電気を発生させます。太陽電池を数十枚つないでガラスなどで覆いパネルにしたものをモジュールと呼び、発電規模や設置できる面積に応じてモジュールの枚数を決めます。直流の電気をパワー・コンディショナーで交流にして、電気器具で使い、余った分は逆潮流して電力会社に売ります。電気料金は売りと買いで別々に決裁されるので、メーターは2つあります。もちろん騒音も振動も排ガスもない実に平穏な発電です。その時々の出力は、パワー・コンディショナーに表示されます。
我家の設備は、約2.7kWと比較的小さなものですが、年間2900kWh前後の発電をします。そのうち約800を使い、残り2100を売ります。夜間や足りない時間帯に通常どおり買う電力量が約1500。従って消費電力量は合計2300kWh程度になり、自給率120%と言えます。
最近の設置費用は1kWあたり70〜80万円、3kWのシステムなら補助金を差し引いて200万円前後になるでしょう。何年で元が取れるか、という質問をよく受けますが、単純な原価回収計算では25年以上かかってしまいます。しかし、設置した人は単なる電気の消費者からミニ発電所の所長になることで、節電意識が高まるのです。