濱 惠介
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2003年10月15日 |
濱 惠介
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住まい・生活 |
住宅 |
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ホームプロ、メールマガジン「エコで楽しむ住宅改修(5)」 |
あらゆる物づくりに材料選びが大切なことは言うまでもありません。住宅は大きく複雑な存在ですから、目的と部位によって様々な材料から成り立っています。大きく分けて構造材と仕上げ材で、それらをつなぎ合わせる材料、様々な設備・配線などが必要です。エコロジカルな住宅改修実現のため、健康と環境を考えた建材選びについて考えてみましょう。
まず考えなければならないことは、人体の健康に悪いものを知り、できる限り使わないことです。まず有機溶剤を含む塗料や接着剤、ホルムアルデヒドを放散する合板やパーティクルボード、防腐剤、防蟻剤などのことです。薬剤を使うことは家に毒を撒くこと殆ど同じですから、慎重さが必要です。木材の腐れ・虫食いを防ぐのには、まず適した材質を選ぶことと湿気を持たせない工夫が先です。当然のことながら、屋葺き材やサイディング(外壁材)には石綿(アスベスト)を含んだものを使わないよう注意しましょう。健康は住む人だけのものでなく、工事をしてもらう職人さん達への配慮も含まなければなりません。
防湿・防露は住宅自身を健全な状態に保つことに通じます。室内や壁の中、床下の結露は最も警戒すべき現象です。断熱が悪く、換気が十分でない箇所に結露が起きます。また、室内の素材が吸・放湿性を持たないと結露が起きやすくなります。ペンキなどで表面をふさいでいない木材や珪藻土壁は、室内の湿度を適度に調整してくれるので望ましい材料です。
材料選びと環境保護との関係を考えるために、原材料を得る現場、加工、輸送、最終処分などの情景をイメージします。例えばラワン合板など南洋材を使うことは、熱帯雨林を壊すことにつながります。輸入材木は知らないところで防腐処理がなされている場合もあります。その点、国産材利用は問題が少なく、林業の再活性化にも役立つので望ましいことです。