栗本 智代
作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
カテゴリー |
媒体(Vol.) |
備考 |
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2003年07月01日 |
栗本 智代
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都市・コミュニティ |
まちづくり |
新聞・雑誌・書籍 |
大阪府ブランド戦略への提言集(冊子およびホームページ)への投稿 |
大阪にも、ブランドに値する遺産は数多くあるが、その価値や面白みが多くの人に知られていないのが現状。専門的な文献はあるものの、一般の人が手にとる機会が少ない。楽しい大衆的なツールが乏しい。
しかし、一方で、地元にはブランドとなるべき可能性を秘めた、地道な活動や新しいムーブメントがある。例えば、大阪市内の空堀界隈で、大阪独自の住まいである長屋や町家を保存したいと、長屋再生の動きが起こっている。長屋や路地、坂道など、貴重な大阪の住空間のよさを見直し、新たに今に息づかせようという思いから、一建築家が仲間を募って立ち上げた。若いアーティストにとって、長屋は魅力的な「場」としての可能性を秘めており、大家さんと入居希望者の橋わたしをすることで、長屋の保存が実現でき、新たな文化発信も可能になっている。地域ぐるみで、アートをテーマにしたイベントを行うことで、地元住民もまちの魅力を再発見したようである。このような、地域の古い遺産を見直し、住民発でちょっとした働きかけを行うことで、地域が活性化し、特色ある文化発信が行われている事例は、平野郷をはじめこれまでも生まれているが、これからも誕生しそうである。
「エコミュージアム」という概念があるが、部分的にもヒントにできそうだ。ヨーロッパの地方都市や郊外を中心に生まれた背景があるようだが、自分たちの持つ資源を自分たちで活用し、見直し、それぞれのポジショニングを決めて、いかにつないでいくか、住民主導型で、行政もサポートを行い、今生きている資源を創っていく、こういう姿勢を大阪にも生かせないかと考える。