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弘本 由香里

2003年06月30日

統計の窓「生活者が活かす統計の時代へ」

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2003年06月30日

弘本 由香里

住まい・生活

住生活

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大阪府統計協会『テータランド大阪』2003年6月号

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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身近な統計について話せますか?

1995年1月の阪神・淡路大震災の発生時、大きなメディアがヘリコプターで被災地の映像を繰り返し全国に放送する中、肝心の被災地で被災者が何よりも必要とする身近な情報がなかった。メディア・情報と生活者の距離を、痛切に思い知らされる出来事だった。

それと同じことが、統計の世界にもある。例えば、日本の国の人口は知っていても、自分の住む都道府県、市町村、さらには身近な生活圏である丁目…と、足元の小さなエリアになればなるほど、その数値を語れる人は少なくなる。高齢化率しかり、その他しかりである。考えてみれば、ひどく不自然な話である。私たち日本人の多くが、いかに地域社会や政治から遊離したところで生きてきたかを如実に物語る現象ともいえる。

終わりのない成長を信じて、ひたすら大量供給・大量消費に励んだ時代には、政治・経済も行政と企業に任せきりで、それなりに事が運んでいった。地域のカルテともいうべき統計データなど、行政や企業の手の中で加工・活用されれば十分と考えられていたとしても不思議ではない。

しかし、今、社会は既に成熟期に入っている。既存の社会ストックや財源を、いかに有効に活用・配分していくか。そのためには、供給者側の論理よりもむしろ、選択する側の生活者の論理、政策形成や実施・評価への生活者の参画が不可欠になる。もちろん、そのためには、広い社会的視野をもった上で、個人にとってもよりよい選択を可能にする、高い課題把握能力や分析能力、調整能力や解決能力が求められるのはいうまでもない。

 

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