豊田 尚吾
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2003年05月21日 |
豊田 尚吾
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住まい・生活 |
消費生活 |
その他 |
ガスエネルギー新聞2003年5月21日掲載 |
ITが発達するにつれインターネット上での詐欺等、ハイテク犯罪が増加傾向にあります。警察庁の統計によれば、2002年上半期の検挙件数は488件で、前年同期比30%以上の増加になっています。米国では、02年におけるインターネット詐欺の被害総額が5400万?と、その前の年の3倍以上となったとのことです。経済が成熟化すると、どうしても欲しいと思うものが昔ほどはなくなり、所得が上がればすぐに消費に結びつくというようなことは期待できません。そのため、企業にとってはさまざまな工夫が必要となり、マーケティングの重要性が増しています。
反面、モノが売れない時代には不適切な手段を駆使しようとする輩が多くなることも否めません。詐欺や犯罪などの違法行為は論外ですが、そこまでは酷くないものの、消費者の心の隙をつくようなテクニックは、営業のノウハウとして昔から認識されています。
そのようなノウハウの中で、特に有名なものが、フット・イン・ザ・ドア、ドア・イン・ザ・フェイス、ロー・ボールの3種類です。
フット・イン・ザ・ドアとは段階的要請法とも言われ、最初に簡単なお願いをして受け入れてもらったあと、それをきっかけに本来の要求をするという方法です。例えば最初に簡単なアンケートに記入してもらってから、本当に売りたい商品の話を持ちかけるといったもので、巷でもしばしば見受けられる商行為です。このような方法がなぜ効果的かというと、その背景に社会心理学的な理由が存在していると言われています。