弘本 由香里
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2002年01月01日 |
弘本 由香里
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エネルギー・環境 |
環境対応 |
CELレポート (Vol.12) |
日本でも1993年の環境基本法の制定を皮切りに、環境行政をめぐる数々の法整備が進められてきた。1998年の容器包装リサイクル法・家電リサイクル法、そして2000年の循環型社会形成推進基本法、廃棄物処理法及び資源有効利用促進法の改正、建設資材リサイクル法、食品リサイクル法、グリーン購入法などからなる「環境六法」の制定。また、1997年に京都で開催された、地球温暖化防止京都会議(COP3)の産物として、1999年には地球温暖化対策推進法も制定された。
こうした環境行政の進展の根源にあるのが、1992年にブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開催された「地球サミット(環境と開発に関する国連会議/通称;リオ会議)」であり、そこで合意された原則「アジェンダ21」である。そして、この「アジェンダ21」を受けて世界各地の自治体で策定が進められてきたものが、「ローカルアジェンダ21」である。本稿では、「ローカルアジェンダ21」を通して、地域から持続可能な社会づくりを進める「環境自治体」づくりの鍵とその可能性を探ってみたい。
「アジェンダ21」が目指すもの
そこでまず、「ローカルアジェンダ21」の前提として、リオ会議で合意された「アジェンダ21」とはそもそも何を目指して発せられた原則であったかを振り返っておきたい。“アジェンダ(agenda)”とは、「課題」あるいは「今から取り組んでいくべき課題一覧」の意だが、「アジェンダ21」とは、文字どおり「21世紀に向けての課題」。リオ会議で合意された3つの文書の中のひとつが、「アジェンダ21」であり、いわば「持続可能な発展」を実現するため、世界に向けて発せられた行動原則である。
「アジェンダ21」の内容は広範多岐にに渡るが、その28章において「アジェンダ21で提起されている諸問題及び解決策の多くが地域的な活動に根ざしている」ことに言及。1996年までに世界の自治体のほとんどが「ローカルアジェンダ21」(以下、ローカルアジェンダという)を策定するよう求めている。