安達 純
2001年03月30日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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備考 |
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2001年03月30日 |
安達 純 |
エネルギー・環境 |
エネルギー・ライフスタイル |
情報誌CEL (Vol.56) |
経済成長とエネルギー
私たちは日々、一体どれくらいのエネルギーを使って生活を営んでいるのであろうか。この問いに対する一番大きな答えは、わが国全体のエネルギー消費量を総人口で割って求めることができる。これによると、私たち日本人は、一日一人当たり一二万キロカロリー、原油に換算して約一二・七リッターのエネルギーを消費していることになる。
では、同じ問いに対する最小の答えは何だろう。ここはもっとわかりやすく、私たちが身体を維持するのに必要最小限のエネルギーはどれだけか、と問い直してみよう。私たちが食物から一日に摂取する熱量は二〇〇〇キロカロリー(原油換算〇・二リッター)程度であると言われている。もっともこれでさえ必要量を超えていて、運動が不足するとその差分は脂肪として身体内に蓄積される。そして、それが成人病の原因となってしまうのである。
こうしてみると、私たちは日頃、身体を維持するのに必要な熱量の約六五倍ものエネルギーを使って暮らしを立てていることになる。この差の大量のエネルギーはどこで消費されているのだろうか。もちろんこれらすべてを私たち自身の手で消費しているわけではない。さまざまな生産活動や流通、農業、都市のインフラ整備などのために、むしろ多くのエネルギーが使われており、こうした社会基盤や生活基盤のお陰で、私たちは便利で快適な生活をおくることができているのである。