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CELレポート

豊田 尚吾

2000年10月01日

北海道マネーによる地域づくり

作成年月日

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媒体(Vol.)

備考

2000年10月01日

豊田 尚吾

都市・コミュニティ

地域活性化

CELレポート

北海道提言賞・北海道知事賞

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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 日常生活において、最も身近で基本的なもの、それは「お金」である。本稿ではお金を切り口に、北海道の未来について考察する。具体的には、独自の通貨で北海道の抱える課題を解決すべきだとの提案を行う。そのためにも、まず、拙稿における問題意識を明確にすることからはじめる。

経済基盤強化と市民の協力関係構築が課題

 北海道では、自立社会の構築が大きな課題である1。しかし、自立そのものよりも、自立後の経済的基盤強化の方が重要である。仮に北海道が「日本から独立」したとしよう。現在は移入超過であるから、独立によって所得は実質的に減ることになる。しかし、第一次産業のシェアの大きさ、土地の広さなどから、食住に関しては基本的なニーズを充足する能力は持っている。一方、高性能のAV機器やブランド品などの移入財はかなりの贅沢になる。人の好みにもよるが、生活の豊かさという点では、ブランド品が安くて食費がかさむ生活より、北海道の方がよほど魅力的であるはずだ。特に所得の低いものにとって住みやすい社会になる。従って、北海道経済にとって、より重要な問題は、自立しても経済が不安定にならないような経済基盤づくりである。具体的には失業問題の解決と、セーフティ・ネットの整備である。

 しかし、経済基盤が強固なだけではよい社会とは言えない。地域社会は、環境問題・安心な社会づくり等、「経済学的に合理的な個人」の集団では解決できない公共的課題も抱えている。その解決のためには、市民の健全な「協力関係」を構築しなければならない。

 

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