濱 惠介
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研究領域 |
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2000年09月30日 |
濱 惠介
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住まい・生活 |
住宅 |
情報誌CEL (Vol.54) |
1990 年代になって、地球レベルの環境危機が多く語られるようになった。人口爆発、食料危機、環境汚染、異常気象等々、すでに顕在化している現象だけでも深刻な状況が進行しつつあることは明らかである。
住まいにおいても地球環境を意識した取り組みが必要なことは言うまでもない。その理由は、住宅における資源利用、廃棄物そしてエネルギーなどが重要な意味を持っているからだ。建築としての性能や寿命のみならず、住む人の価値観、営まれる生活スタイルなども環境への負荷に大きく関わっている。
このような視点から提案されている「環境共生住宅」又は「エコロジカル・ハウス」はどのようなものであろう。またその目的に見合った暮らしは、これまでのとどう違うのだろう。その趣旨をまとめた「環境共生住宅A-Z」*1には、?環境負荷の低減、?自然との親和性、?健康とアメニティー(快適さ)、の3 点が基本的目標として掲げられている。
これから語る「再生エコハウス」は、私自身が家族や研究仲間と議論しながら実現させつつある改修・リニューアル版の「環境共生住宅」である。その名の通り新築ではなく、中古住宅にエコロジカルな視点と手法で新たな命を吹き込んだものである。この実践事例をたどりながら、環境と調和し、環境と共に生きる住まいを考えてみよう。