濱 惠介
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1999年04月10日 |
濱 惠介
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住まい・生活 |
住生活 |
その他 |
「住」− 住むことは澄むこと −
「住まい」は建築の中で最も生活に密着したものです。そこは日常生活の現場とも言えます。現代の日本の暮らしには、いくつかの特徴的なことがあります。
まず、様々な行為が同じ空間で営まれることが当たり前です。次に、贈答品・記念品が習慣となって、意図しないのにモノが増える傾向があります。さらに、現代日本文化と同じく、伝統的な要素と外来の要素が共存または混在して生活が営まれます。二か国語を使うことをバイリンガルと言いますが、日本人の暮らしは言わばバイ・カルチュラル(二重文化)またはマルチ・カルチュラル(多重文化)ではないでしょうか。
このような事情から、住まいの中には実に多様な家具・什器があります。いや溢れていると言った方が良いかもしれません。モノの多さと多様さでインテリアが混乱し、収拾のつかない状態に陥ることになります。歳を重ね生活履歴が長くなればなおさらです。
このような状況に対し、インテリアデザインはどう役立つのでしょう。普通の住宅にあって、室内空間の美しい調和は可能なのでしょうか。インテリア雑誌に見るグラビア写真やモデルハウスのセッティングは、あまりにも現実ばなれしているように見えます。望ましい住まいのインテリアを実現するには、生活者(住まい手)とインテリアのプロとが一緒に考えるのが有効です。
生活者としては、自分らしい生活を大切にするとともに、見直すことも必要です。軽々しく物を持たない、家具を求める時は全体の調和を考え慎重に選ぶ、などが考えられます。